本当の好転反応と瞑眩反応を鍼灸師が解説!
こんにちは。統括院長の石丸です。今回は「鍼灸の好転反応」についてお話ししたいと思います。
鍼灸施術を受けた後に体がだるい、余計に症状が悪くなったなどの経験はないでしょうか。このとき、鍼灸がダメだったのではないかと思い、鍼灸院に電話をすると「これは好転反応でよくなる反応なので大丈夫ですよ」と言われることも多いです。
しかし、本当にそうなのかというところを20年間、鍼灸施術を行い、長年鍼灸院を運営している私の経験からお伝えしたいと思います。
【動画解説】好転反応と瞑眩反応
本当の好転反応
好転反応とは東洋医学では瞑眩(めんげん)反応ともいいます。これはよくなる前に一時的に悪化する反応としてよい意味で使われます。ですので、鍼灸施術を受けた次の日に余計に痛くなった、余計に症状が悪化した場合は本当にこれが好転反応なのかが問題となります。
私が思う本当の好転反応とは、患者様が施術後に状態が悪くなり、余計に辛くなったとしてもそれを過ぎた後には元の地点よりも向上している場合を指します。1度下がった後に元の位置よりも上がっていなければ好転反応ではありません。こういったプラスアルファがあるからこそ好転反応・瞑眩反応といえるわけです。
これに対して施術後にドンと悪くなり、その症状がなくなったときに施術前の位置と同じ場所にいる場合は好転反応ではありません。これはただ単に刺激量が多すぎたケースではないかと私は思っています。本当の好転反応であれば反応後はバンと改善されるはずですが、同じところに戻っているのであればそれは刺激が多すぎる、つまりオーバードーゼだと思います。
好転反応については一般の方はこのような基準で判断してはいかがでしょう。
天気や暦、月の満ち欠けの影響
また、好転反応やオーバードーゼが原因ではなく施術後に症状が悪化することもあります。たとえば、鍼灸施術を受けた翌日に頭痛がひどくなったとします。この場合、鍼灸施術の影響を疑うかもしれませんが、よくよく天気予報を確認してみると台風が近づいていたというケースもあります。このように天気や立春・立夏・立冬などの暦の変化、月の満ち欠けなどが体調には大きく関係しています。
この患者様はそもそも台風が近づいているためにその時点で頭が痛くなるはずでした。しかし、鍼灸施術を受けた後に頭痛が起こったため鍼灸施術のせいで痛くなったと誤解してしまうわけです。ただよく考えてみると、本来なら100辛かったものが鍼灸施術によって70や50で済んでいたのかもしれません。
このようなケースはかなり多いのではないかと考えているので、私は天気や暦、月の満ち欠けについてはかなり気にかけています。これは鍼灸師のメリットだと思いますが、こういったことを事前に伝えられると「あの人の言うとおりになった」となるため、患者様からの信頼度はかなり上がります。
このようなメカニズムで症状が出ることもあるので、その点はぜひ知っておいていただきたいと思います。
症状が出る要因
人間の体はロボットではありません。中には精神があり、外には環境があります。体は中の精神と外の環境に挟まれているため、下記のようなさまざまな要因によって症状が出てしまいます。
- ストレス
- 寝不足
- 食べ物が悪い
- 台風
- 月の満ち欠け
- 暦の変化 など
だからこそ鍼灸施術の後に症状が悪化したからといって、すべてが鍼灸施術のせいだとは思わないでください。このような環境の影響がない場合には好転反応は下がったあとに元の状態よりもしっかりと上がるものだと考えてください。
好転反応はその後に上がるもの
今回の内容は私の鍼灸の塾でも塾生に教えていることですが、一般の方も同じように考えていただければと思います。
鍼灸師の方はとくに天気などの環境の影響を重視してほしいと思います。天気のパワーは半端なものではありません。「台風が来ていますが、〇〇さんはこういったときに体調を崩しやすいので少し気をつけてくださいね」などと言えるとまったく違うので、鍼灸師はその点をしっかりと認識してほしいと思います。
好転反応は下がったとしてもそれ以上に上がるものです。下がったものが元に戻るだけでは好転反応・瞑眩反応ではないと私は考えています。